甘唐辛子のカプシエイトも健康に良いって本当?
唐辛子はピリッとした辛味で食欲や元気が出る、血の巡りが良くなり体が温まる「健康食品」として定評がありますよね。
その辛味の成分「カプサイシン」には、健康増進にうれしい働きがあると言われます。
代謝促進➡脂肪を燃焼させる働きがあるアドレナリンの分泌を促進
血行促進➡代謝促進によりエネルギーが燃えて体温が上昇、血行・栄養の循環が良好に
冷えの緩和➡血行促進により、末端まで血流が良くなり、体温が上昇して冷え性を改善
疲労回復➡血行促進により老廃物の排出を促し、新陳代謝が向上して疲れにくい身体に
コレステロール排出➡新陳代謝の活発化により血液中のコレステロールや老廃物を排出
ほかにも、さまざまなビタミン・ミネラルを含む唐辛子は栄養価に優れています。
抗酸化作用があり免疫力アップ・老化防止が期待できる「βカロテン」
糖をエネルギー化し脳・神経・筋肉にも必要な「ビタミンB1」
爪や髪の毛・皮膚などを作る「ビタミンB2」
血流改善に良いといわれる「ビタミンE」
脳や身体の組織を作るミネラル「リン」
ナトリウムを調整して血圧を予防する「カリウム」
骨を強化し弾力を与える「マグネシウム」
でも、唐辛子の辛さが苦手な人もいますよね。
唐辛子の中にも、辛味の少ない「甘唐辛子」があります。ししとう、万願寺とうがらしなどが、その仲間です。
ししとう(獅子唐辛子)は、名前から激辛を連想しそうですが、実の部分のデコボコした凹凸が獅子の顔に似ていることから名づけられ、実際には辛味が少ないピーマンの一品種です。ビタミンCが多く、カプサイシンと似た作用が期待される「カプシエイト」も含まれています。
「カプシエイト」は、エネルギー代謝促進と脂肪蓄積防止の効果が、日米の実験・研究からわかってきています。4週間のカプシエイトの摂取で約50kcalのエネルギー消費量が増加(安静時)、また、12週間の摂取で腹部の脂肪率が低減したという結果が出ています。
万願寺とうがらしは、京都伝統の伏見とうがらし×アメリカの大型ピーマンの品種カリフォルニア・ワンダーの交配で誕生し、いまは京野菜のひとつとして定着しています。万願寺とうがらしも、ビタミンC・βカロテン・ビタミンE・カプシエイトを含む、栄養豊富な食品です。
カプシエイトは辛くないのに、カプサイシンと同様の代謝促進・体温上昇・抗肥満などの働きがあり、しかも血中には移行せず、血圧などに影響も出ないので安心です。
カプサイシンの辛味がいやで唐辛子を敬遠していた人も、甘唐辛子のカプシエイトは、健康のために気軽に食事に取り入れられそうですね。
参考 Ajinomoto からだレポート カラダに無理なく代謝を高める成分、「カプシエイト」とは?
食品技術史センター 辛味革命『香辛子』~フルーティで、辛味の後味が良いトウガラシの物語